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分館の向井潤吉アトリエ館は、今新緑の目映い清清しい木立が出迎えてくれます。
ささやかな竹薮には、たけのこがひょっこり頭を出し、けやきや柿の木が青々と繁り、爽快な風を運んでくれます。
この連休は、各地から大勢のお客様にお越しいただきました。街の喧騒から離れ、静かな一時をお過ごしいただけたようです。そして今年も、向井潤吉が旅先で入手したとされる、民芸調のこいのぼりを展示室に掲げました。赤、緑、黄色と鮮やかに彩られたこいのぼりは、素朴な風合いで木造の展示室にもほどよく馴染み、端午の節句の演出に一役かって、お客様にも好評でした。
向井潤吉も、目的の民家へ辿る道すがら、多くの人々や光景に出会い別れ、その土地の風土を感じながら、作品を描きました。まるで、土地の雰囲気を、向井潤吉の絵筆とカンヴァスに馴染ませるように。こいのぼりは、どこでどんな風に手に入れたのかはわかりませんが、今まで大切に残されていたことを考えると、きっとどこかで素敵な出会いがあったのではないでしょうか。
美術館へ訪れることは作品鑑賞がメインですが、美術館へ向うまでに出会った猫、建物や庭の設え、そして帰り道、往路にはなかった夕焼けなど、訪れることの動作すべてが繋がっているように思います。あの年の連休には、こいのぼりのある美術館へ行ったなんて、思い出していただけるといいですね。