企画展


タイトル

院展の巨匠 吉田善彦展

1998年10月31日~12月6日


 

吉田善彦は天才画家速水御舟に師事した数少ない日本画家として知られています。
1912年(大正元年)東京に生まれた吉田善彦は17歳頃から速水御舟門下となり、宗元絵画や日本の仏画、絵巻等の古典模写からデッサンの基本を学び、やがて御舟より「絵は心」だという教えを受けます。
御舟急逝後、善彦は1940年に法隆寺金堂壁画模写事業に参加し、模写のかたわら、院展に出品を続け、64年日本美術院同人に推挙され、70年には東京藝術大学教授に迎えられます。
吉田善彦の画業は善彦に「第二の故郷」と言わしめた十数年にも及ぶ大和地方との関わりから、大和の古寺を題材にするものと日本の自然が重要なテーマとなって行きます。
吉田芸術の特徴は一般に吉田様式と呼ばれる古画からヒントを得た金箔を使用した独特なマチエールにありますこれは一度描いた絵に金箔のベールを被せ、その上に再び絵を描くという独自な技法で、今までの日本画にはない奥行と荘厳さをもたらすことになります。善彦の金箔の画面は陰翳の中に鈍い光を放ち、隙のない構成と相俟って古画の持つ気品をも兼ね備えた魅力的なものとなっています。
本展は院展の正統派を引き継ぐ最後の巨匠といわれる吉田善彦の画業を初期から現代に至る代表作約130点にて回顧しようとするものです。