企画展


タイトル

インサイド・ストーリー 同時代のアフリカ美術

1995年9月23日~11月19日


 

アフリカ美術といえば、まずはあの仮面や彫刻を思い起こします。けれども、今日にあって、これら伝統的な造形は、アフリカ美術のごく一部にしかすぎません。私たちの時代のアフリカ美術とは、ではいったいどのようなものなのでしょうか。

アフリカ美術の現状は、大きく二つの流れに分けることができます。ひとつは、美術学校で専門の美術教育を受けた、その意味でアカデミズムと呼ぶことのできる作家たちによる絵や彫刻であり、もうひとつは、そうした美術教育とは無縁の、市井の職人たちの手による多種多様な造形群です。
 日本ではあまり知られていませんが、この枠組みをさらに推し拡げてみるならば、下町の店先に揺れる色鮮やかな看板、トラックや乗り合いバスのボディを飾る陽気なペンキ絵たち、一方街行く女たちの黒い肌に映える極彩色の衣装、あるいはディスコでリズムに酔い痴れる人々の表情に至るまで、多彩な意匠が浮かび上がってきます。
 本展では以上の点を踏まえた上で、広大なアフリカ大陸のうち西アフリカと中央アフリカに地域を絞り、今世紀初頭から最近にまでおよぶ絵画、立体その他様々な造形約140点を、概ね4つの時期に整理して展覧いたします。こうして、これらの地域における美術の20世紀を私たちの目でつぶさに検証することにより、アフリカ美術の現在を、そしてそこに交錯する眼差しの軌跡を透視してみたいと考えています。
 幸いなことに、日本とアフリカの交流の機会は日ましに増えつつあります。それだけに、アフリカ美術の同時代と正面から向き合おうとする本展は、アフリカ文化をより深く理解するための確かな足ががりを提供する試みとして、歴史的な意義を有するものと確信いたします。