企画展


タイトル

舟越保武の世界 信仰と詩心の彫刻60年

1994年5月14日~6月12日


 

長崎の街を見晴らす高台で、天空を仰ぎ見るように並ぶ「長崎26殉教者記念像」をご存じの方も多いと思います。この作品は、舟越保武が制作した数多くある野外作品のひとつです。
 舟越保武は、ロダンの影響を受けた萩原守衛、高村光太郎らが切り開いた近代彫刻の意志を継承し、これを成熟させてきた作家の一人であり、現代の具象彫刻界を代表する作家であります。カソリックを深く信仰する舟越は、聖人や聖女を、多くの作品においてモティーフとしており、そこには彼の敬虔な祈りと、独特な澄明な詩心がこめられているようです。
 また舟越は日本における本格的な大理石彫刻の開拓者であり、それは彼ならではの流麗で透明感あふれる表現になり得ており、卓越した技量と業績はここでも確実に示されています。
 本展では、60年におよぶその芸術の軌跡を、初期の作品である昭和8年の「N君」から現代に至るまでの彫刻およそ80点と、素描50数点によって回顧するものであります。