企画展


タイトル

土方久功展 南太平洋の光と夢

1991年11月14日~12月15日


 

土方久功は、戦前、日本の委任統治領であったミクロネシアのパラオ、サタワルへわたり、その島々で島の人々とともに生活しながら、木彫、絵画を制作するとともに、民族学調査を行い、14年間を過ごすという、きわめてまれな体験を持った人物です。
 土方は、1900年に東京小石川に生まれ、学習院初等科、中等科を経、東京美術学校彫刻科に入学しました。1927年、日本橋丸善で初の個展を開き、好評を得ました。1929年、南洋庁のあるパラオへ単身渡り、創作活動とともに、島の神話伝説の採集、部落組織、結婚制度などの民族学調査を精力的に行いました。それらの成果は後に著書、論文として発表され、民族学界に大きな反響をよびました。また、中島敦、丸木俊など、南洋に滞在した人々と親交を持ちました。
 1942年、中島敦と一緒に帰国し、その後、岐阜県土田村へ疎開しました。帰京後、1949年頃より再び彫刻を始め、読売アンデパンダン展に参加し、また個展を開くなど、活発に作品を発表しました。1968年に心臓発作を起こしてからは、主として水彩画を制作しました。そして1977年、76歳で没しました。
 本展は、木彫レリーフ、立体彫刻、水彩画、素描、マスクおよびあらたに発見された油彩画を加えた約200点の作品と、土方が収集した民族資料27点を展示し、彫刻家、画家であり、詩人であり、また民族史家であった土方の全人としての、多彩な活躍ぶりをご紹介するものです。