企画展


タイトル

アメリカのジャポニスム展 青い目の浮世絵師たち

1990年12月20日~1991年1月20日


 

 19世紀後半、印象主義やアールヌーボーの成立に、浮世絵をはじめとする日本美術の影響が大きく寄与していたことはよく知られています。しかし、こうした日本美術に対する関心、すなわちジャポニスムはフランスだけに限った訳ではなく、フランス以外のヨーロッパ諸国、アメリカにまで広範に認められる現象です。本展は、幕末から明治初年にかけて、松方幸次郎はじめ多くの留学生が学び、日本との繋がりも深いラトガース大学の付属、ジマーリ美術館の協力によりアメリカにもたらされたジャポニスムを紹介するものです。アメリカでは、カンザス・シティのネルソン―アトキンス美術館とジマーリ美術館で開催され、日本では世田谷美術館のみの開催なっております。企画構成は、メトロポリタン美術館東洋部門の学芸スタッフであったジュリア・ミーチ博士により、出品作家は、日本作家も含めて40人余り、出品点数は、水彩、版画を中心に140余点。アメリカの作家達は、日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、いずれも美しく、興味深い作品揃いです。例えば、ロバート・ブラムのエキゾチシズム溢れる日本の情景を描いた水彩やルイス・リード、ウィル・ブラッドリー等のグラフィック・デザイン。歌手であり、料理研究家でもある平野レミの祖父にあたるヘンリー・P・ボウイの達者な筆さばきをみせる日本画。そしてヘレン・ハイドやバーサ・ラムの版画は、まさに青い目の浮世絵師と呼びたくなるものです。アーサー・ウエズリー・ドウの魅力的な風景版画や、エドナ・ボイス・ホプキンズの美しい花の版画にも日本の影響は明白に現れています。また、建築家フランク・ロイド・ライトのパースやスケッチにもそれははっきり見てとれます。それらを日本の浮世絵などと対比させながら、日本とアメリカとの関わりに新たな光を当てようというものです。